スウェーデンのミルク戦争「牛乳やめちまえ!」牛乳の終焉は近い?

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今日はスウェーデンで勃発している『ミルク戦争』のお話。現在スウェーデンでは植物性ミルクの購入量が増えており、それを快く思わない既存の酪農乳業とバチバチの関係に。ビーガン食品と動物性食品の戦い『ミルク戦争』を見て行きましょう!

 

オートリー(Oatly)とは?

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オートリー(Oatly)はスウェーデン発祥のオート麦を原料とする植物性ミルク(オーツミルク)のブランド。畜産業が気候変動や環境破壊の原因となっていることを受け、環境に優しいビーガンミルクとして欧米を中心に人気が高まっています。韓国などアジアにも進出しており、さらなる拡大を目指しています。

 

「牛乳の代わりにオーツミルクを飲むだけでCO2を80%削減することができる」とCEO自らが語っています。

 

世界に根付く牛乳神話を打ち破るため、気候変動問題の高まりを背景に「牛乳なんてやめちまえ(DITCH MILK)」という攻撃的なアンチ牛乳広告戦略を展開し、世間の注意を引きながら成長を続けています。

オーツミルク vs 牛乳

スウェーデンはもともと牛乳大国でしたが、近年スウェーデン人の牛乳離れが進んでいます。調査会社スタティスタ(Statista)が発表したデータによれば、スウェーデン人一人当たりの牛乳消費量は2007年の130.5リットルから2017年の103.1リットルに減少しています。

 

新しく台頭してきた植物性ミルクとそれを潰したい既存の牛乳勢力が、『ミルク戦争』とも呼ばれる熾烈な広告戦争を繰り広げているのです。

 

今年初旬、スウェーデンの乳製品大手のアーラ(Arla)はアンチ・ビーガンミルクのテレビ広告を開始しました。

植物性ミルクの試飲を促したお兄さんを「美味しくない」とけなすお姉さん達。

CMの最後にはオートリーの商品をイメージした架空の植物性ミルクのパックが殴り飛ばされる演出があり、「ミルクの味は牛乳だけ!(Milk is milk)」という叫び声で締めくくられています。

牛乳側の対抗策はスウェーデン人が親しんできた「味」に訴求するというものです。

 

アーラ社のキャンペーンを請け負った広告代理店は「牛乳は一世紀以上スウェーデンの食生活と文化を形成してきたスウェーデン人の魂」だと言います。

「ここ数年、新規の競合他社が次々に牛乳の市場に参入し、人々に植物性ミルクを選ぶよう呼びかけている。」とその勢いを目の当たりにしています。

一切の恐れ、同情もない

オートリーはアーラのアンチ広告を逆手に取り、CMでオートリーの商品を暗示するのに使われたネーミング『Pjölk』『Brölk』 『Sölk』 『Trölk』を自社製品のパッケージに印字しました。
 

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牛乳側の攻撃に徹底応戦するオートリー。
クリエイティブディレクターのジョン・スクールクラフト氏はこう語ります。
「恐れ知らずのオーツミルクメーカーが登場し、牛乳の終焉を見届けようと情熱を燃やしているのだからさぞかし恐ろしいことでしょう。私には一切の同情の念はありません。」
 
 
オートリーに戦争を仕掛けたのはアーラ社が初めてではありません。スウェーデンの乳製品のロビー団体LRM Mjölkは一度オートリーを名誉毀損で訴えています。
オートリーがオーツミルクを表現するのに使用した『ミルクのようなものですが、(これは)人類のために作られたものです。』というスローガンが牛乳を中傷したというのです。
 

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その結果LRF Mjölkが勝訴し、オートリーはこのフレーズの使用中止と10万ポンドの支払いを命じられました。
しかしオートリーは訴訟結果に納得せず、訴訟文書の公開を求めました。この騒動がきっかけで、オートリーの国内売上げが45%増加しました。

世界へメッセージを送るオートリー

オートリーのファンはスウェーデンを超えて世界に広がっています。オートリーは自社利益の増大に伴って世界中の市場に参入していきました。市場が拡大しても、オートリーの信念のメッセージは揺らぎません。

 

先月、イギリスで最も人の行き交いの激しいロンドンのウォータールー駅にビルボードを設置し、動物性食品を捨てようと呼びかけました。

“Go ahead, eat like a vegan,”

『さぁ、ビーガンのように食べよう』

 

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また昨年にはイギリスで70万ポンドをかけた広告キャンペーンを展開。15秒間のCMには、スウェーデンでは封印された象徴的なスローガン『ミルクのようなものですが、(これは)人類のために作られたものです。』が使用されました。

 

オートリーの勢いはおさまりを見せません。

今は缶コーヒー飲料や、乳製品不使用のアイスクリーム、ビーガンカスタードも製造しており、アメリカ、イギリス、オーストラリア、クロアチア、韓国、イタリア、シンガポール、チェコなどで買うことができます。

牛乳はもう飲まなくて良い

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スウェーデンは世界4大酪農国の一つ。自分の国から「牛乳なんて捨てちまえ!」と叫ぶ声が出て来る日など想像もしなかったでしょう。

 

牛乳生産のために牛が虐待の末に殺される実態、気候変動、環境破壊、健康被害、これらの問題を認識し牛乳離れが進んでいるのは、牛乳神話からの目覚めのときが来ているのだと思います。

 

先月11月には4大酪農国の一つアメリカで乳業最大手が破産宣告したこともニュースになりました。かつて私達日本人に牛乳を飲めと持って来た親玉が今になって「牛乳やばいじゃん!」と止めてしまったのだから、何とも皮肉なものです。

 

私も菜食を始めてから一切の牛乳・乳製品、それが使用されたパン、スイーツ、食品など全てをやめました。親や政府やメーカーの言うことではなく、自分で調べたり話を聞きに行ったりした上での結論です。ご興味があればぜひこちらもご覧ください。

小さい頃から飲んでたから、親が飲めって言ってたから、当たり前に食卓やレストランにあるから、ではなく、本当に乳製品を摂るべきなのかを立ち止まって考えるきっかけになれば幸いです。

お読みいただきありがとうございました!

 

参照記事

Oatly is betting oat is the perfect milk alternative - Vox

Why Sweden Is Terrified of Oat Milk | LIVEKINDLY